秋田県の重要構造物に使用する生コンクリートは、骨材の品質確認と凍結融解試験で合格しなければなりません。
工事業者が選定した生コン工場が凍結融解試験データを保有していない時は、次のような対応が必要です。
① 配合計画書提出後、秋田県の指示により生コン工場の骨材を採取して指定検査機関で品質を確認する。
② ①が合格した場合、最初の生コン打設の時に凍結融解試験供試体を作製して指定検査機関で試験する。
当社は平成21年(2008年)に実施した凍結融解試験で合格した後、凍結融解試験を必要とする工事の出荷はありませんでした。
平成28年(2016年)に秋田市発注の工事で凍結融解試験を2回行っています。(参考値)
令和元年(2019年)に秋田県発注の工事で初回のコンクリート(高炉セメント使用、W/C=54.5%)納入時に同試験を行い、合格しています。
凍結融解試験のデータ 秋田県の耐久性向上施策 直後の対応 試験に必要な期間
試験年・質量減少率・耐久性指数・判定
2019年・ 4.0(%)・  77(%)・合格
2016年・ 0.4(%)・  96(%)・参考
2016年・ 1.1(%)・  95(%)・参考
2008年・ 2.7(%)・  91(%)・合格
2005年・ 1.6(%)・  92(%)・合格
2003年・ 4.0(%)・  93(%)・合格
合否判定基準・      66(%)以上
平成14年12月、秋田県はコンクリート構造物に変状が見られ、骨材の品質低下が原因と判断しました。
施策では骨材の品質(アルカリシリカ反応性、吸水率や安定性)とコンクリートの試験(単位水量推定、凍結融解)が規定されました。
その後、何度か説明会が開催されて施策も見直されました。
より確実な品質確保の方法として、新潟県産の石灰砕石で配合を標準化し、平成15年4月から出荷しました。
平成15年の重要構造物の生コンクリート納入に先立って建設業者による骨材置場からの骨材採取で品質が合格していることを確認しました。
初回打設時に凍結融解試験用供試体を作製して、秋田県建設・工業技術センターに搬入しました。
秋田県では生コン工場が費用負担をして行う凍結融解試験を推奨していません。
配合計画書が承認された後、骨材品質試験が2~3週間、初回の打設で採取した凍結融解試験が判明するまでは3ケ月程度の期間が必要です。
       
2019年凍結融解試験データダウンロード コンクリート構造物特記仕様書    
Date:2023-05-01 Title:技術資料 [凍結融解] File:TechnicalData.html [610D.html]   ページ構成を変更しました。